建物の周期とは、建物が振動する時に1回揺れて戻ってくる時間をいいます。
建物はそれぞれ固有の振動周期=固有周期を持っています。
ここでは、低層建物と高層建物の振動模型を使ってそれぞれの自由振動を調べ、これにより振動模型の固有周期(1次周期)の違い見てみます。
低層模型は早く振動し固有周期が短いことが分ります。一方、高層模型はゆっくり振動し固有周期が長いことが分ります。
この性状は実際の建物も同じで、建物の高さが高くなるほど一般的に固有周期は長くなります。
非常に大雑把な固有周期は、建物の階数の1/10で求められます。例えば、10階建てならば約1秒、30階建てならば約3秒という具合です。
建物の固有周期と地震動の卓越周期(地震動に含まれる卓越した周期成分)が近くなると『共振』が生じ、建物にとって最も不利な状況が生まれます。
建物の固有周期は予め把握すること比較的容易ですが、地震動の周期成分を予め予測することは地震の性質がその度に異なるため非常に難しく、耐震設計の最も困難なそして重要な課題となっています。
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